昔、評論家の竹村健一氏が「世界の常識は日本の非常識、日本の常識は世界の非常識」と言った。
私たちの会社のように長い間海外の会社と取引していると、この言葉、本当にあたっていると思うことが多い。
最近、これににたような言葉で「日本市場はガラパゴス諸島」という表現を聞くことが多い。
ガラパゴス諸島とは、南米の太平洋上に浮かぶ群島で、大陸と離れた環境なので、ここには独自の進化を遂げた生物が数多く存在する。
ところがこのような生物は、一旦外の世界と接触することで危機にさらされる場合があって、実際に最近ではガラパゴス諸島を訪れる人が多くなって絶滅の危機に陥っている動物もいるという。
これと同じ現象が、日本の市場でも起きているというわけで、特に日本の携帯電話機の市場の特殊性をいうときに、このガラパゴス現象ということばが使われるようです。
日本のケータイ電話機はその機能においては群を抜いて世界のほかのケータイを圧倒しているが、日本独自の仕様がゆえに世界では通用せず、結果的に生産台数も低く、開発コストも高くついて、端末あたりの価格も5万円以上と非常に高い。
ケータイのソフトなどもケータイキャリアで提供する(あるいは認定される)ソフトに限定されるので、ユーザーの選択肢も狭まる。
ところがこの特殊な状況を大きく変える動きがここにきて急に出てきた。
その代表格が7月11日に日本で発売されるiPHONEだ。
このケータイ、全世界で売られているので、原価も安いおかげで日本における発売価格も8MB(だったかな?)モデルで2万円強で発売されるようです。これは日本の端末の半分以下。
それにこのiPHONE、SDKが無償提供されるので、サードパーティによるソフトウェアが自由に作れるようになる。
あと、Googleが提供するケータイ用の無償ソフトウェア群(アンドロイド)というもの注目。
その無償ソフトを使えばブラウザー、アドレス、スケジュール管理などの基本ソフトは共通になるので、開発コストが下がるばかりでなく、異なる端末間でも共通のソフトが使えるようになる。
このように長い間、日本という限られた市場で成長を謳歌してきた「ガラパゴス諸島」もおとづれる「外資系」にさらされて・・・ということになるのかも。
最近のコメント